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初めての海外で、初めての英語発表!「Dr.Mからの特別なオファー」を受けた高校生たちの挑戦
2025.12.11
サイエンスキャッスルアジア2025の会場に、初めての海外渡航で初めて英語発表にチャレンジする二人の中高生研究者がいました。彼女らは今年3月に関西大学で開かれたサイエンスキャッスルジャパン2025でポスター発表を行い、大会中に実施された「Dr.Mからの特別なオファー~グローバルパスポート~」にて海外渡航サポートを獲得しました。パスポートの取得から海外渡航の手配、英語でのポスター資料作成・発表準備をリバネスのサポートを受けながら進め、ついに迎えたサイエンスキャッスルアジア当日。大会後には、「私、海外でもやっていけるかも」と頼もしく笑顔で語る姿がありました。リバネスでは、こうした日本の若き研究者たちが世界を舞台に自らの問いを探究し続けることを、これからも全力で応援していきます。
自身の研究の可能性を広げる
兵庫県立龍野高校の國武明日香さんは、地元に生息するラン科植物「サギソウ」の保全を目指して、小学生でも簡単に作れる無菌培地の作成方法の開発に取り組んでいた。次亜塩素酸を主成分とする微酸性電解水や、エタノールなどの殺菌剤を使って、チャック付きポリ袋で種子発芽用の無菌培地をつくるのだ。サイエンスキャッスルジャパンでもらった「東南アジアでも活用できるかもしれない」という助言をきっかけに、この手法を世界に広げられないかと思うようになり、今回の発表に至った。
「思っていた以上に、東南アジアの同世代に関心を持ってもらえました。今回開発したZAC(Zipper bag AsepticCulture)を彼らといっしょに広げたいです」と力強く話す。慣れない英語での発表に苦戦したが、実際に作成した培地を見せながら身振り手振りを交えて伝える中で、自身の研究がもつ可能性が仮説から確信へと変わった。まさに日本の中高生研究者が世界へ羽ばたいた瞬間だ。

世界に問う、新たな仮説
大阪教育大学附属高等学校池田校舎の西川歩花さんは、電池の原理を応用してサンゴの健康状態を簡易に測定する手法を検証している。サンゴの体内に共生する褐虫藻の光合成活性にあわせて変化する海水中の溶存酸素量を電位変化として検出できないかと考えているのだ。まだ誰も検証していないこのアイデアを、サンゴ礁の海に身近な東南アジアの中高生たちにぶつけてみたいと西川さんは意気込んでいた。
当日はポスター発表だけでなく、ステージ上でショートピッチも行い、2000名を超える来場者へ向けて発信。最終的には株式会社フォーカスシステムズ賞と株式会社イノカ賞を受賞する快挙を遂げた。「まだまだ考えなきゃいけないことにたくさん気づけたので、早く次の実験に取り掛かりたいです」と話す西川さん。東南アジアの研究仲間との議論を経て、次の試行錯誤が始まろうとしている。

(教育応援 vol.68 35ページより一部転載)
本企画は、サイエンスキャッスルワールド2025でも実施を予定しています。また、2026シーズンの大会情報はこちらからご確認ください。ぜひ、海外で開かれる大会へご参加ください。
