サイエンスキャッスル

サイエンスキャッスル研究費DE&I賞2025

中高生による自分を対象とした研究を応援し、一人ひとりが自ら世界を変える一歩を踏み出す支援をします。安心して自分らしく研究に取り組めるようなコミュニケーションや発表環境を作り、前例のない個性や感性あふれる研究アイデアにも専門性のあるメンターが伴走します。

 

募集テーマ

 自分自身の特性やマイノリティ性に着目したあらゆる開発や研究

概要

募集対象 研究活動を行う中学生、高校生、 高等専門学校生(3年生以下)
聴覚障害や視覚障害をお持ちの方も申請可能です。(その他申請者の特性で不安点あればご相談ください)
募集テーマ例 ● 自分のマイノリティだからこそ見つけられた課題を解決したい。
● 雑音のある場所で友達との会話に集中できず、 苦しい。集中できる方法を見つけたい。
● 外に出たくない日があるのはなぜか。
● 食べられるものが限られている。それでも家族や友達と楽しんで 遊びにいける食環境をつくりたい。
● 発話以外の方法で考えていることを伝えたい。 自分にあった伝え方を見つけたい。
● 外泊すると眠れなくなる。眠れるようになるための方法を見つけたい。
使用用途 研究開発に要する経費(材料費、部品等購入費、設備費、交通費等。ただし、飲食代は除く)
研究支援期間 2025年9月〜2026年3月
担当者の想い 取材記事はこちら
説明会 今回募集する研究の内容や対象についてもう少し詳しく知りたい方、ご質問のある方は、ぜひオンライン説明会にご参加ください。

日程: 6月27日(金)17:00-18:00

対象: 教員、保護者の方など

内容:

自分を対象とした研究を行ってきた研究者から研究のお話を聞くとともに、研究のすすめ方や支援についてご紹介します。
参加費: 無料


お申し込みはこちら


リバネスID にログインしてから「お申し込みはこちら」をクリックしてください。
申請方法 申請方法 の詳細をご確認の上、 こちらの申請ページ より研究内容の記述と申請をすすめてください。
パートナー 公益財団法人ベネッセこども基金
メッセージ 中高生のみなさん、モヤモヤしてますか?もしかしたら、その気持ちをとことん研究してみたら、周囲や社会が変わる第一歩につながるかも知れません。研究なんてしたことない…なんて人もメンターが一緒だから大丈夫。ご応募お待ちしてます!
サポート 申請者が持つ特性に合わせてフォローの方法を考えますので不安点はお気軽にご相談ください。
申請書を作成するところからサポートします。
その他 ※センシティブな内容の場合は、WEB掲載や発表の際には、生徒の名前をオープンにせずペンネームを使用することもできます。

助成内容と採択数

助成内容① 研究費5万円
助成内容② 自分研究の専門家による研究メンタリング
助成内容③ 成果発表会実施
採択件数 5名程度

申請条件

  • 申請する中学生もしくは高校生・高専生が主体的に申請すること
  • 保護者もしくは所属する学校の同意があること
  • 申請書類に記入すべき情報(連絡先等を含む)の提供が可能であること
  • 2025年9月上旬に実施するキックオフイベントに参加できること(実施日は、採択者と協議の上決定します。また、基本的には現地開催を検討しておりますが、遠方の方はオンライン参加ができるようにいたします。)
  • 原則、2025年12月に実施する中高生のための学会「サイエンスキャッスル」のワールド2025に参加できること(原則、現地参加となりますが、参加方法は必要に応じてご相談ください)
  • 2026年3月に実施するオンライン成果報告会に参加できること
  • 原則、採択者の情報や研究の内容及び成果(採択者の氏名、年齢、所属学校、顔写真等の個人情報を含みます)が、公益財団法人ベネッセこども基金、株式会社リバネスが運営するWebサイト、刊行物、SNSその他媒体を問わずメディアへ掲載されることに同意いただけること。(研究内容によっては個人が特定できないよう配慮いたします。)
  • 本研究費の運営チーム(公益財団法人ベネッセこども基金ならびに、公益財団法人ベネッセこども基金が委託する外部メンター、株式会社リバネス)に申請情報が共有されることに同意できること

タイムスケジュール

募集期間 2025年6月1日(日)〜2025年7月25日(金)17:00
オンライン
説明会
2025年6月27日(金)17:00-18:00
申請締切 2025年7月25日(金)17:00
面談期間 2025年8月上旬〜中旬(オンライン面談)
採択発表 2025年9月上旬
研究費支給 2025年9月末
キックオフ 2025年9月中旬
サイエンス
キャッスル
2025年12月
成果発表会 2026年3月

申請方法

規約・募集要項の確認

規約及び本ページの募集要項を確認の上、内容に不明点がある場合はご相談ください。

サイエンスキャッスル研究費 DE&I賞2025 規約

リバネスIDの登録

申請を希望する中高生は、代表者かどうかに限らずチーム全員のリバネスID登録が必要になります。研究費エントリー画面はリバネスIDログイン後に表示されますので、リバネスIDに登録をお願いします。

リバネスIDの登録

 

同意書の準備

学校活動の一環として実施する場合は学校教員の同意書(学校用)を、そうでない場合はチームメンバー全員の保護責任者の同意書(個人用)を準備してください。同意書の雛形は以下からダウンロードください。
サイエンスキャッスル研究費同意書(学校用・個人用)
申請フォームより記入捺印済み書類のスキャンデータのアップロードし、原本はサイエンスキャッスル研究費担当までご郵送ください。

郵送先:株式会社リバネス 人材開発事業部 伊達山
〒162-0822 東京都新宿区下宮比町1-4 飯田橋御幸ビル5階

研究内容の記入・申請

こちらの申請ページより研究内容の記述と申請をすすめてください。

なお、本研究費の申請に際して、以下2つの項目を書く際は、以下のポイントを参考にしてみてください。

①申請項目:なぜ研究または開発を行いたいのか(代表者個人の課題意識)
<記載のポイント>
自分がどのような体験をして、どんな気持ちになったかなど、本研究のテーマに行き着いた理由を具体的に書いてください。
また、自分の中の課題や疑問をそのままにせず、研究開発に挑戦してみようと思った理由があれば、合わせて記載してください。

②申請項目:予想される成果とその意義
<記載のポイント>
研究開発結果の予想に加えて、研究開発が終わった時に申請者本人がどんな姿になっていたいのかも記載してください(支援期間に限らず、長期的な視点で結構です)。

(写真向かって左から)
公益財団法人ベネッセこども基金
事務局長
青木 智宏 氏
公益財団法人ベネッセこども基金
事務局
髙橋 瑞季 氏

内なる声を研究し、世界に響かせる

中高生が自身の困りごとやモヤモヤを研究という形で深めていく「DE&I賞」。2023年に始まった取り組みは、これまでに7名の中高生が採択され、自分自身の困りごとと向き合いながら研究成果を発信してきた。2025年度からは賞の名称をDE&I賞と改め、多数のパートナーが参画する体制へとアップデート。活動の拡大とさらなる挑戦へと歩みを進める。リバネスとともに本取り組みを立ち上げ、こどもたちの研究に伴走してきた公益財団法人ベネッセこども基金(以下、こども基金)の青木さんと髙橋さんから、この賞の原点と可能性を伺う。

そのモヤモヤが探求の入り口

 サイエンスキャッスル研究費DE&I賞は、「自分自身の特性やマイノリティ性に着目したあらゆる開発や研究」を対象としている。しかし、自分には特別な課題はないと感じたり「マイノリティ」という言葉に距離を感じる人もいるかもしれない。実は、こども基金の髙橋さんもそうだったという。しかし、参加した中高生たちの話に耳を傾けるうちに、自分の中にも確かに人には理解されにくい困りごとや特徴があり、かたちは違っても誰の中にもあると気づいたそうだ。「心の中にふと浮かぶ違和感や、弱みだからこそ人には言いにくいこと。そんな一見ささやかなテーマほど、大切に向き合ってほしい」と髙橋さんは語る。あなたの内側にある小さな声やモヤモヤが、他の誰にも真似できない、ユニークな研究の始まりになるのだ。

困りごとを整理し、研究コーチと一歩目を踏み出す

 DE&I賞では、当事者研究の手法をもとに、自分の中でどのような時に違和感や生きづらさを感じるのかを言語化し、理想の世界を目指して、まずは記録を取りながら困りごとの背景や要因を探ったり、困りごとを解決するプロダクトを開発したりしていく。似た経験を持つ人の話を聞くことも研究の重要なプロセスの一つだ。研究経験がなくても、リバネスや研究コーチとともに進められる安心な環境が整っている。そして、このプログラムのもう一つの特徴は、「研究する」という共通の目的が、互いの違いや問いを尊重し合える関係を育んでいくことにある。参加者同士や伴走する大学の研究者との間では、「それ、おもしろいね」「もっと知りたい」と新しい視点への関心の声が自然と交わされる。誰もが対等な研究者として受け入れられ、研究の多様性がそのまま個人の在り方の多様性として尊重される。そうした関係の中で、一人ひとりが自分でいていいと感じられる空気が自然に生まれているのだ。自分では弱みだと思っていたことが、誰かにとっての「知りたい」に変わり、それがユニークな研究として尊重される。DE&I賞は、そんな研究の連鎖が広がっていく場所なのだ。

発信したからこそ聞こえてくる共感の声

 この研究は、深い自己理解や研究者としてのステップアップの可能性だけでなく、周囲の見方を変えて社会に新たな問いを投げかける力を持っている。「こどもたちの発信が共感を呼び、社会や大人の解像度を上げる。すると社会が変わるんです」と青木さんは語る。実際にこども基金自身も、これまでの活動に参加した中高生たちとの出会いを通して、大きな気づきを得たという。もともと「支援が届きにくい困りごととはどんなものか?」を問いながら活動していた。そうした中で、学校や制度では把握しにくい生徒自身の内側にある生きづらさや違和感、そうした「名もなき課題」の存在が明らかになった。既存の枠組みではすくいきれない課題が確かに存在するという実感から、より多様な声に応えていけるよう、活動の場を広げている。
オンラインで配信もされた成果発表会では、チャット欄はハートや拍手で埋まり、「自分も悩んでいます」「勇気をもらいました」と応える声が次々と届いた。しんどさや恥ずかしさを感じた経験を含めて語られた研究が、誰かの明日を支える小さな力になる。DE&I賞の研究支援は、そんな共感と応援が循環する、あたたかい場にもなっている。言葉にならない違和感も、小さな気づきも、それが問いとなって発せられたとき、耳を傾ける人がきっといる。今は自分だけかもしれないと感じている課題に光を当て、客観的に探究し、発信すること。その一歩が、研究をする生徒自身の未来も、社会の未来も、きっと豊かに変えていくはずだ。(文・大島友樹)

募集中のサイエンスキャッスル研究費